介護と寄与分の現実 遺言や生前贈与の活用を

  • 2015.12.01 Tuesday
  • 21:04

高齢者の増加により、
在宅介護を推進するのが政府の方向性です。

他方、現行の民法では複数の子の相続分は等分です。
介護をした子もそうでない子も同じ割合なのです。

介護をした子が
「特別の寄与」をして「被相続人の財産を維持又は増加させた」
といえる場合には寄与分が認められますが、
相続人間で合意ができないときに家庭裁判所で寄与分を認めてもらうことは簡単ではありません。

療養・介護が必要な状態であることを前提に(単に高齢というだけではダメ)
介護に特別に貢献し(同居して家事を分担しただけではダメ)
無償で(被相続人の収入や資産で生活していた場合は難しい)
継続的に(一時的ではダメ)
専念した(仕事のかたわら通うのではダメ)
ことが必要と言われています。

遺産分割の協議では、
介護をしなかった相続人が民法で定められた相続分を求めることは往々にしてあります。
寄与分の現実をふまえれば、
相続人の協議まかせにしないで
遺言や生前贈与を活用して相続に公平感をもたせることが
紛争の予防に必要であるといえるでしょう。
 

相続人がいない場合、財産はどうなる?

  • 2015.07.31 Friday
  • 19:42

ある人が亡くなっても、
財産を相続する人がいない場合があります。

民法に定められた相続人は、
配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹で、
子や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合はその子(孫や甥、姪)が相続人となります(代襲相続)。

このような相続人がいることが明らかでない場合、
相続財産は家庭裁判所が選んだ相続財産管理人により管理されます。

相続財産管理人は、
債権者がいれば弁済し、
家庭裁判所に特別縁故者と認められた者がいれば財産を分与しますが、
なお残った財産は国庫に帰属することになります。

国庫に帰属となるよりは、財産を渡したい人や団体があるという場合は、
遺言書を作ることなどが必要なのです。

 

遺言相続セミナー&法律相談会

  • 2014.11.17 Monday
  • 18:07

先日、横浜弁護士会の主催する
遺言相続セミナー&法律相談会に参加しました。

セミナーでは、一般の方を対象に
弁護士の講師が相続と遺言について、
税理士の講師が相続税について、
それぞれ解説し
その後、個室で希望者の相談に応じるという企画です。
私は法律相談担当の弁護士として参加しました。

セミナーで聞いたことを自身や家族にあてはめて
問題に思い当たったり心配になったら、
引き続き個室でゆっくり法律や税金について相談できるのは
とても有意義なことだと思います。

高齢化社会を迎え、相続の数も増えます。
私も毎年の横浜シニア大学での講演に加え
今回のような企画に参加するなどして
相続トラブルの予防と解決のために精力的に活動していきたいと思います。

 

相続税制の改正/相続税だけでなく「争族」の対策も

  • 2014.03.20 Thursday
  • 19:46

平成27年1月から相続についての税制が変わります。
もっとも大きな改正は、
基礎控除(非課税枠)が40%引き下げられることでしょう。
現行制度の、「5000万円+(1000万円×法定相続人の数)」が、
「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」になります。

例えば、配偶者と子ども2人が相続人となる場合、
今は8000万円まで相続税がかからないのが、
平成27年1月以降は、4800万円を超えた額に課税されることになり、
相続税の申告が必要になります。


さて、この改正を前に、
財産の評価額と法定相続人の数を確認される方は多くいるのではないかと思います。

そのときにぜひ、
遺産分割について相続人の間で争いが生じる心配はないか
という点についても合わせて考えていただきたいと思います。

遺産の分け方をめぐる相続人の話し合い(遺産分割協議)をきっかけに、
家族の関係が悪くなってしまうのは
弁護士としてよく目にすることです。

他方で、たとえば財産をのこす人が遺言を書いて
この土地は誰に、この預金は誰に、
というふうに遺産分割の方法を定めておけば、
相続人の間で話し合いをすべきことはぐっと少なくなります。

相続をきっかけに子どもたちの関係が悪くなり、
その影響が孫たちにも及んでいくとなれば、とても悲しいことです。
財産をのこす人には、家族のために、
紛争予防の対策を講じてほしいですし、
それはきっと自身の安心にもつながると思います。